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藤の香りに包まれて

東方二次創作です。

東方二次創作です!


山茶花の唄夜風に揺れる雪柳の続きモノ。
単体でも読めますが、上記を読んでいるともっと楽しめると思います。



※百合警報発令!
百合が苦手な方はスルーしてくださいm(__)m


※妹紅←ミスティア←慧音になっています。この組み合わせが苦手な方は、スルーしてください





◆◆◆◆◆◆◆

あの時の唄、覚えてる?

貴女が歌った優しくて切なくて儚げな唄。

私だったら貴女にそんな唄を歌わせないのに……。

そう想うことは罪ですか?


【藤の香りに包まれて】


―ある日の夜のこと。
私は、遅くまで仕事をしていた。ふと、窓をみると星々が瞬いていることに気がついた。

「もうこんな時間か……」

一区切りが付いたので、私は何か食べて行こうと、立ち上がって背伸びをしてから、部屋から出た。

空には満天の星が瞬いており、十六夜の月が東より少し昇っていた。

「んー」

私は、空を見ながら背伸びをした。外は心地の良い涼しさで、疲れさえも飛んでしまいそうに感じる。

「さてと……何処に行くかな」

かなり遅い時間なので、人里の店は閉まってるだろうし……

「……そうだ!」

私は、夜中に何度か行ったあの屋台を思い出し、そちらの方へ歩き出した。


少しして、その屋台の明かりが見えた頃。

「美味しかったよ。ご馳走様」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました。また、いらして下さいね、もこさん」
「あぁ、また来るよ」
「はい」

と聞き慣れた声がした。

「……あれは」

店主(女将だが……)のミスティアと妹紅が店の前で、何やら話しをしている。

「あっ、もこさん」
「何だ?」
「えっと……」
「???」
「えっと、その……すいません……やっぱり何でもないです」

ミスティアは、苦笑して何かを言いかけた。私は、一瞬、その切なげな表情に『あれっ?』と違和感を覚えた。

「?……じゃあ、私は帰るよ。おやすみ、女将さん」
「あっ……はい。おやすみなさい、もこさん」

だが、妹紅は気付いていない様で挨拶をすると、帰ってしまった。

「また、言えなかった……駄目だね、私」

ミスティアは、妹紅の背中を見送ると、困ったような哀しいような顔で屋台ヘ戻った。


「……さて」

どうしようか……。
今、屋台に行くのは気まずいし。でも、寺子屋に戻る訳にも行かないからなぁ……

と悩んでいると、屋台の方から、切な気な歌声が聞こえてきた。


―言えない。でも、言いたい。

―叶わないと知っていながら、それでも願う。

―夢に見た綿菓子みたいな恋物語……

―でも現実は、飲めない辛口のお酒みたいな恋

―一口味わうとノドが焼けるようで

―二口味わったら胸にモヤモヤが溜まって

―三口目を飲み干す前に……涙を一筋流すの

―願わなければ善かったと呟いても

―この想いはキエテクレナイ

―ならば、ワタシはどうしたらいいの?

―そう空に叫んだ歌声、ココロを乗せて……

―今日もアナタの姿を声を全てを

―ただ、思い出してみる。



「……こんばんは」

私は気付いたら、そう言いながら屋台の暖簾をくぐっていた。

「あっ……けーね先生……いらっ……しゃい、ませ」

一瞬、ミスティアは驚いたような顔と声でで私を見たが、

「……よっ夜遅くまで、寺子屋でお仕事…だったんですか?」

苦笑したような営業スマイルで、お冷やとおしぼりをカウンターに置いた。

私は、おしぼりで手を拭くと、

「あぁ。色々とやっていたらこの時間になってな……」
「お疲れ様です」
「ありがとう」

少しだけ、お冷やを飲んだ。

「……何になさいますか?」
「八目鰻の串焼きと冷酒……」
「かしこまりました」

ミスティアは冷酒を出すと、串焼きを準備し始めた。その間、少しだけ何も言わず、私は冷酒を飲んで夜の虫たちの音に耳を傾けていた。


しばらくして、

「串焼きです」
「ありがとう」

私は、出来立ての串焼きを頬張った。いつ、食べても美味しい。私は、串焼きを食べ終えると、

「相変わらず、美味しいな」
「いえいえ、日々精進ですよ。まだまだですから」
「たしかに日々精進することは大切だ。でも、本当に美味しいよ」
「けーね…先生……」

私たちは少しの間だけ他愛のない話しをした。


「そういえば、ミスティアは歌、上手いんだな」
「えっと……恐縮です。もしかして、先程の歌、聞いてたんですか?」

私が頷くと、ミスティアは、苦笑して『恥ずかしいなぁ』と呟いた。そして、二人して目を合わせると苦笑のような微笑みのような笑い方で笑いあった。

「素敵な歌声だと思うよ」
「ありがとうございます。歌うの好きですから……そう言っていただけると嬉しいです」

―あっ…照れたような笑顔。
その顔に、少しだけ……『可愛いなぁ』と思ってしまった。

「少しだけ……聞かせてくれないか?ミスティアの歌」
「…………えっ!?」

私の提案に、ミスティアは一瞬驚いたような表情をした。

「聞きたくなったからじゃ……ダメか?」
「そういうんじゃないんですけど……」
「無理にとは言わないよ」
「……じゃあ……歌います。笑わないで下さいよ、けーね先生?」
「あぁ、笑わない」
「では……蛍火燈して、見上げた夜空……」

そう言って歌い始めた歌声は、楽しそうに踊って、優しく夜の空へと吸い込まれていった。





もしも貴女が哀しい唄を歌うなら

その唄が、優しい唄になるようにしてあげたい。

その唄を、貴女の中から無くしてあげたい。

その唄に、貴女が涙しないように

いつか……きっと……

そう思うほどに、貴女の歌声と笑顔に夢中なんだ……



――――――――――
【あとがき】

東方花言葉集3です。
いやはや、書くのに時間がかかりましたわ。ていうか……慧音が動いてくれなかったんですよ(トホホ)
で、その割には内容は……あんまりっていう。纏まりないし、長いし……本当に文章力と構成力ないな私(pω・。)

時系列的には『山茶花の唄』より前です。慧音がミスティアに惚れた?時という感じかな。

今回の題名の『藤』ですが、花言葉は『あなたに夢中』ということで、慧音がミスティアに夢中という文章にしたかったんです。
文章力欲しいな……(・ω・。)

09/09/24 了

――――――――――

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プロフィール

天野香月☆

Author:天野香月☆
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名前
天野 香月☆(アマノ カヅキ)

出身
青森県青森市。(浜育ち)

誕生日
1987年3月29日

血液型
会った途端にばれるO型
多分、典型的過ぎるのかと。

趣味
小説を書くこと、読むこと。
写真撮影・散歩、自然観察。
読書-漫画・ライトノベル・専門書
音楽聞くこと、歌うこと。

好き
犬、猫、林檎、魚、海藻類
ぬいぐるみ、クラシック
植物(特に雑草の類)
昆虫(…特に蝶の仲間)

嫌い
牡蠣(これだけは……勘弁)
ゲジ&ゴキ(生理的に厳しいです。)

好きな作家
藤原ここあ先生、空廼カイリ先生
ぽあたん先生、望月淳先生
あざの耕平先生、倉世春先生 etc…

好きな歌手
Asriel、霜月はるか(kukui含む)、
広瀬香美、椎名林檎、
JAMProjct、ALIPROJECT etc…

・・・その他については、
リンクにあるプロフィールをご覧ください。


キリ番について。
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